※記事に記載されている店舗情報やプラン内容は変更されている場合があります。詳細については公式ホームページやお電話等でご確認ください。
出典:新潟直送計画
目次
年間1万6千人が参加する酒蔵見学
年間1万6千人もの見学客が訪れる人気スポット、それが宝山酒造さんの酒蔵です。創業当時から現在も使われている酒蔵は築120年以上。その佇まいからも、しっとりとした情緒と歴史の重厚感が漂います。
のれんが下げられている昔ながらの土蔵の先には、本来は蔵人しか立ち入ることが許されなかった酒蔵の聖地が。展示用の樽ではなく、酒が仕込まれているリアルな現場を見ることができます。
運が良ければ会えるかも?看板猫ちゃんがお出迎え
一見すると素人がヒョイと見学にお邪魔できるような雰囲気ではないのですが・・・どうやらウエルカムな姿勢のようです。のれんの前には一匹の猫ちゃんが。思わず緊張感がほぐれます。
「こんにちは猫ちゃん、今日はよろしくお願いします。」
背中で「いいよ〜」って言ってくれているみたい。
さっそく潜入してきました!
県外からの団体客も多数!
取材に伺ったこの日は金曜日のお昼時にもかかわらず、すごい人数が集まってきています。その数、なんと100名とのこと。それはすごい!なんでも県外からの団体客が大型のマイクロバス2台でお越しだとか。
宝山酒造の酒蔵見学といえば、名物女将の「神プレゼン」が大評判。酒造りの基本的からこだわりまでメリハリある非常に分かりやすい説明で見学客の視線を集めます。テーブルには7〜8種類の試飲用の原酒が置かれています。蔵元のみぞ知る日本酒の楽しみ方をこっそり教えてもらえるのも人気の秘密。
隅々まで見せてくれます
今回案内していただいたのは、五代目の渡邉桂太(わたなべ けいた)さん。
酒造りの時期には杜氏や従業員、家族総出で作業に励むそうです。
酒造りの肝となる温度を24時間管理する装置が付いた樽。
専用の金具で酒樽の蛇口をひねります。
蔵を守る重い鉄扉は夜になると締め切られるそうです。
「酒蔵の子供あるあるなんですけど、昔よく叱られると扉の内側に閉じ込められました。本気で怖かったですよ、光が一切入ってこないんで。」
とおだやかに話す桂太さん。(桂太少年は一体何をしでかしたのでしょうか。)
平成元年からの受賞した賞状がギッシリと壁一面に飾られています。その数から宝山酒造さんの評価の高さがうかがえます。
ドライバーも試飲OK!甘酒も好評です
こちらは甘酒用の樽だそうです。砂糖や甘味料を使わない、昔ながらの甘酒にこだわり、天然の井戸水と米だけで仕込んでいます。
甘酒本来の甘味を出すために、6時間つきっきりで麹(こうじ)を手で混ぜ続けるのだそうです。
麹から作っている「本物」の甘酒は独特の臭みがなくフレッシュな味わい。昔ながらの甘酒は、飲む点滴とも言われていて、ブドウ糖やビタミン、必須アミノ酸など栄養満点です。
健康に良く飲みやすいことから、女将さんのお孫さんにも人気で、毎日家族で飲んでいるのだとか。宝山酒造の人気商品の一つです!
ちょっと試飲させて頂きました。
ご説明いただいた通りとてもフレッシュです。砂糖不使用なのですがお米と麹の自然な甘みが後を引きます。なんと言いましょうか、サラリとしていて牛乳瓶で朝からゴクゴクいけちゃう系です。牛乳で割っても美味しそう。。
でもやっぱ勿体無いからそのままが美味しそう。
新潟直送計画で販売中!
地元ブランド苺「越後姫」とコラボした甘酒にキュン
こちらは新潟県が誇るブランド苺「越後姫」とコラボしたイチゴ味の甘酒。既成品のシロップなどを好まない女将さんのこだわりで、生の越後姫を潰した果汁と混ぜてあるだけというシンプルな製法。しかし苺本来が持つ華やかな香りが鼻腔を満たし、なんとも可憐な味わい。ほんのりピンク色にキュンとします。
お酒が飲めない方にもオススメ◎店頭で購入可能です。
五代目桂太さんに聞く宝山酒造の『酒蔵見学』人気の秘密
岩室という土地は中心部から離れていて、決してアクセスが良いとはいえなさそうですが、なんと年間1万6千人もの方々が見学に訪れるのだとか。米どころ新潟に多数ある酒蔵のなかで宝山酒造さんがここまで人気があるのはなぜでしょうか。五代目の渡邉桂太(わたなべ けいた)さんにお話を伺ってみました。
ー 酒蔵見学はいつから始められたんですか?
桂太さん: 酒蔵見学自体は約20年前に始めました。キッカケはズバリ、酒蔵がピンチになったからです。と言うのも、先代である私の父が、埼玉の大手の酒蔵で営業をしてから宝山酒造に帰ってきた際に、大手でのみ通用する薄利多売な販売手法をとってしまったんですね。そうしたらみるみる業績が悪化してしまって、経営困難な窮地に立たされました。
ー そんな事があったんですね!どのようにしてピンチを?
桂太さん: はい。私の祖父と父が、当時新たな販路を獲得するために目をつけたのが観光バスだったんです。当時、観光スポットの弥彦神社と岩室温泉を行き来する観光バスが酒蔵の前の道路をブンブン走っていました。とにかくキャッシュが欲しかったということもあり、祖父と父はどうにかあのバスを宝山酒造に引き込みたかったんですよ。
ー そこで発案されたのが「酒蔵見学」というわけですね?
桂太さん: そうなんですよ。もう始めた当時は周囲の反応が冷たくて辛かったみたいです。特に付き合いのある酒屋さんには嫌がられましたよね。そりゃそうですよね、蔵元が直販始めたんですから!(笑)時代背景からみても、蔵元は黙って良い酒を作る、酒屋がさばく、みたいな暗黙のルールがありましたから。近隣の農家さんたちからも「なんか変わったことはじめたぞ」みたいな。(笑)でも、続けることで蔵を知ってもらって、店頭購入という販路ができました。
ー 見事、ピンチをチャンスに変えたんですね!
桂太さん: ありがたいことに、そうなることができました。おかげさまで酒蔵見学も好評で、年中無休でやっています。普通、年末年始はお休みすることろが多いと思うんですが、意外とニーズあるんですよ。今はお正月休みに家でのんびり、というよりも休暇を利用して酒蔵見学などの体験を楽しみたいという方が増えている気がします。若い方も結構いらっしゃいますよ!見学者のなかには女性のお一人様もいらっしゃいますし。酒蔵探訪が旅の楽しみ方の一つになってきているのを感じています。
ー 宝山酒造さんの酒蔵は猫ちゃんがいたり中庭が見えたり、なんだかアットホームですね。
桂太さん: そうですね。暮らしのなかで当たり前のように、家族と80歳を超えるベテラン杜氏とみんなで酒造りをしながら蔵を守ってきたからですかね。あとは・・・僕の母なんですが、名物女将のおかげかな。お店の接客や酒蔵見学の時にお客さんの前に立つとスイッチが入って別人のようになります。何年か前にツイッターで【宝山酒造にカリスマ女将あり。営業マンは一度あの女将のプレゼンを聞くべし!】みたいな内容を見かけたことがあります。本人も「私から接客を取らないで!」なんて言ってイキイキ働いています。疲れてるはずなんですが、それを感じさせないのは仕事が励みになっているからでしょうね。
テキパキとアテンドをこなし団体さん100名を笑顔で見送る女将さん。背筋が伸びてかっこいい。
「オンとオフのギャップがあると言われるんですよ〜」と、朗らかな女将さん。
桂太さんの高校受験間際にうっかり「スベった・落ちた発言」をしたり、野球部だった桂太さんの頭をバリカンの設定ミスでお坊さん状態にしてしまった(その後たまたまTV取材が控えていたのに!)など、どんどん女将さんネタが蔵出しされてきます。(蔵元だけに!)
とにかく昔からおちゃめな一面があるそうです。そのギャップがまたいいですね。好きです、女将さん。
看板娘ならぬ看板猫は猫のミー太君
ー 猫ちゃんがいますよね。「酒蔵に猫」ってなんだか雰囲気ありますね。
桂太さん: 飼猫のミー太です。10歳の男の子なんですが・・・(ヒョイと持ち上げて)優しいミルクティー色なんですよ。実は「三代目ミー太」なんですけどね。全然人見知りをしない温厚な子ですよ。人懐っこくて、酒蔵見学の時もお客さんの膝に乗っちゃうこともあって。(笑)
昼間は気ままにあちらこちらをお散歩し、夜は社長と一緒のお布団で寝るミー太君。
「自分で写真集作っちゃいました。」と照れながら自作のミー太君写真集を見せてくれた桂太さん。
メロメロじゃないですか!
ミー太く〜ん。君は家族の一員としてこんなに愛されているんだね。
そして宝山酒造さんの看板背負ってるんだね。
立派な看板背負って、ミー太くんも肩が凝らないかい?
モミモミ・・・
モミモミ・・・
あ、全然柔らかいね。
猫ちゃんが肩凝ったら世も末だよね。
このリラックス感が宝山酒造の蔵の空気を作っているのかもしれません。
参加者に聞く宝山酒造の酒蔵見学の魅力
今回は実際に酒蔵見学に参加されていた参加者のお一人、入倉 東洋(いりくら とうよう)さんにもお話を伺ってみました。
ー すみません、今日はどちらからいらしたんですか?
入倉さん: 山梨県南アルプス市から来ました!
ー 今日の参加理由とご感想を教えてください。
入倉さん: 今回は地元のJA(農協)の企画で参加しています。これまでに新潟県内のいくつかの酒蔵を見学しましたが、宝山酒造の見学はすごいね!ダントツで良かった。まずは女将さんの説明が明朗快活で非常に素晴らしかったですよ。とてもわかり易いし原酒をじゃんじゃん試飲させてくれる。しかも7、8種類もね。この場所であの説明を聞いてから飲みくらべる原酒の味は格別だよ。酒そのものというより、この蔵元を好きになったね。
この後、販売コーナーで「純米大吟醸」を3本ご購入して嬉しそうにバスに戻られて行きました。
入倉さん、たくさんのお客さんで賑わうなか、快くお答えくださりありがとうございました!また新潟に、そしてこの宝山酒造にいらしてくださいね。
愛される要素がギュッと詰まった宝山酒造
名物女将と看板猫のミー太くん。そして経営困難なピンチを脱するために「攻め」の姿勢で大きなチャンスを掴んだ大人気コンテンツの酒蔵見学。
130年の歴史を持つ宝山酒造という看板を背負いながらも、どこか朗らかで日々の暮らしのなかに自然に酒造りを取り入れている渡邉家と従業員のみなさん。
宝山酒造さんは、岩室というのどかでありながら神秘的な魅力があるこの土地に無くてはならないと感じさせる存在感がありました。実際に訪れた現場でこそ感じられる魅力を、ぜひ一度味わっていただきたいです。
宝山酒造株式会社
住所:新潟県新潟市西蒲区石瀬1380
電話番号:0256-82-2003
見学受付時間:午前の部 9:00~11:30 / 午後の部 13:00~16:30
URL:宝山酒造 酒蔵見学について
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