【酒蔵探訪】創業130年の酒蔵 宝山酒造で新しい酒造りに挑む、大学の同級生コンビの話

「宝山酒造」インタビュー第3弾。今回は、五代目蔵元の渡邉桂太さんと、営業担当の若松さんにお話を伺いました。お二人は大学時代に飲み会の席でたまたま隣りあわせたことが出会いのきっかけ。前触れ無く「一緒に酒つくらない?」と誘った桂太さんに、「いいよ」と即答した若松さん。それから月日が流れ、それぞれの道を歩み、ご縁があって昨年から一緒に宝山酒造さんで働くことになった二人は、かつての“約束”を果たすこととなりました。

「宝山酒造」インタビュー第3弾。今回は、五代目蔵元の渡邉桂太さんと、営業担当の若松さんにお話を伺いました。

なんとお二人は大学の同級生コンビ。創業130年の伝統を受け継ぎながら、二人で新たな酒作りに挑んでいます。

酒蔵がある岩室に戻るのは月1回、基本は東京を中心とした全国の地方都市で営業活動をしているという、宝山酒造の営業担当、若松さん。

「宝山酒造」のカリスマ女将から営業として、多くのことを教わったそうです。

【シリーズ日本酒】宝山酒造 「教わったのは“お酒じゃなくて蔵を売る”という考え方」

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ー 若松さんはどのような経緯で「宝山酒造」さんへ?

若松さん(以下、若松):
「宝山酒造」には昨年来ました。それまではワインショップや日本酒を扱う飲食店で働いていたんですが、五代目の渡邉(桂太さん)と同じ大学だった縁で一緒に働くことになったんです。今日はたまたまこっちに戻ってくる月1回のタイミングだったんですけど、普段は東京で営業活動をしています。午後から大阪出張なのでまたすぐ出てしまうんですが、酒蔵にいると作業をすることが多い関係で今日はちょっとこんなラフな感じです。(笑)

渡邉桂太さん(以下、桂太):
そう、今日はね。(笑)若松には営業もそうですが、戻ってきた時に一緒に酒造りの工程にも参加してもらってます。結構力仕事も多いですし、今日みたいに団体の見学客が入ったりすると蔵全体が忙しくなるんで、午前中しかいなくても引っ張りだこです。

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ー 普段、どんな営業スタイルか教えてください。

若松:
営業先の業界、業態によって服装もアプローチの仕方も変えています。例えば、IT企業に自社のお酒を提案しに行くときは、相手に合わせて少しカジュアルダウンして相手との距離感を縮めるように意識をして、逆に百貨店や酒屋さんにはしっかりスーツを着て信頼感を得られるようにしています。

営業の現場では、お酒のスペックというか、あまり自分から味の説明をしないんですよ。聞かれたらお伝えする程度ですかね。というのも、確かにそれぞれのお酒に特徴があるんですが、そこに焦点を当てすぎると印象に残らないんです。いくら新潟は名所といえど全国レベルでみたらすごい数がありますし、県内の数あるお酒のなかでも気に入ってもらうためにはそれだけじゃダメなんですよ。

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女将が教えてくれた大切なこと

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ー 味の説明をしないとは意外です。ではどんな説明を?

若松:
そうですね、僕はまず岩室という土地の説明から始めたりしています。情景描写ができると宝山のお酒に対する興味と愛着のような親しみが湧いてくると思うんです。宝山酒造の創業130年の背景もですし、新潟といっても広いのでもっと具体的にそのお酒が生まれた土地のことを伝えると“ストーリーがある日本酒”になるんですよね。今ってお酒の消費量が減っているので、ただ味の説明をしても響かないんです。

実はこの営業スタイル、はじめからできていたわけじゃなくて・・・女将に言われたんですよ。『お酒の説明をしたら駄目、“蔵を売りなさい”』って。そこから考え方や実際のアプローチが変わりましたし、自分でもいっそう気持ちを込めた営業ができるようになったかなと感じてます。相手に響いているという手応えがあるんですよね。

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年間1万6千人が訪れるという人気の「酒蔵見学」は年中無休。普段の店頭での接客を含め、この人気コンテンツのアテンドを仕切るのは名物女将ならぬ“カリスマ女将”。一度に100名の団体客が来ても臆することなく堂々としたプレゼンテーションをこなし、参加者の心をがっちり掴んで離さない。「いくつか酒蔵見学をしてきたけれど、あの女将さんの接客でこの酒蔵が一番好きになった」という参加者がいるほど。「宝山酒造」の“ファンづくり”に欠かせない人物と言える。

同級生コンビの思い出と想いが詰まったお酒が誕生

大学時代に同級生だったという五代目蔵元の渡邉桂太さんと若松さんは、飲み会の席でたまたま隣りあわせたことが出会いのきっかけ。前触れ無く「一緒に酒つくらない?」と誘った桂太さんに、「いいよ」と即答した若松さん。それから月日が流れ、それぞれの道を歩み、ご縁があって昨年から一緒に宝山酒造さんで働くことになった二人は、かつての“約束”を果たすこととなりました。

その約束は今年、「出会い」をコンセプトにした1本の日本酒となって発売されました。

「酒を売る犬 酒を造る猫 夏の限定酒」というお酒

ー 変わった名前の限定酒を作られたそうですね。

桂太:
はい。猫好きなので僕が“猫”で、若松が“犬”です。そして、僕が酒蔵でお酒を作ってるんで“酒を作る猫”、そして人懐っこさから営業の若松が“酒を売る犬”になったんです。「なんか犬っぽいよね」って。(笑)

若松:
実際は僕、猫が好きなんですけどね。(笑)

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看板猫のミー太くんと“犬猫コンビ”の二人。

ラベルデザインで二人の「出会い」を再現

ー 出会ったその日に交わした約束がラベルに。感動的ですが、ご感想は?

桂太:
正直、ちょっと恥ずかしいですね。(笑)

若松:
うん、照れくさいというか、恥ずかしいというか・・・。(笑)

でもこれ、営業するときに楽しいんですよ。まず「宝山」っていう文字がどこにも入っていないラベルデザインなんで、ある意味ブランド勝負ができないというか。その分コンセプト勝負、プレゼン力勝負みたいなところがあって、いかにお客さんの興味を引けるか!というのがありますね。「おもしろいね!」と反響も良かったりして、やってみて良かったと思います。

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「いつのまにかホームになってた」埼玉出身若松さんの変化

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もともとは埼玉県のご出身という若松さん。同級生の商売元ということ意外、岩室という土地にはまったくゆかりが無かったそうですが、いつの間にか特別な場所になっていたそうです。

ー この岩室という土地に対してはどんな感覚がありますか?

若松:
もともと全然知らない土地でしたけど、こうして「宝山」の看板を背負って東京で営業しているうちに思い入れというか、地元に近いような特別な感覚を持つようになりました。岩室を宝山を何も知らない方々にその魅力を伝えていくうちに、いつの間にか自分も好きになっていって、ホームみたいな感じです。ホッとしますよ。あと、新幹線の新潟駅を降りてからこの田園風景を眺めながら4〜50分車を走らせて、ビルじゃなく酒蔵に帰ってくるっていうのがまた良いんですよね!

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同級生コンビが時を経て“犬猫コンビ”となって「宝山」を守り受け継いでゆく。

岩室という土地で130年という歴史ある蔵に篭り、ひたすら美味い酒造りに没頭するプロフェッショナル。

東京という世界中から舌の肥えた人々が集まる日本の中心部で宝山の顔として営業するプロフェッショナル。

秋晴れの空の下、眩しそうに笑顔を見せるお二人からは若々しいエネルギーとたくましさが伝わってきました。

宝山酒造株式会社

住所:新潟県新潟市西蒲区石瀬1380
電話番号:0256-82-2003
見学受付時間:午前の部 9:00~11:30 / 午後の部 13:00~16:30
URL:宝山酒造 酒蔵見学について

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この記事のライター

のざわ

夫の転勤で4年前から新潟市中央区に住む2児の母。フリーライターとして新潟のこころ惹かれるスポットを探しては夜な夜な赤ワイン片手に記事を書いています。焼酎が苦手でスチャダラパーが好き。“ほどよい距離感”を心がける34歳ですどうも。

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