※記事に記載されている店舗情報やプラン内容は変更されている場合があります。詳細については公式ホームページやお電話等でご確認ください。
目次
新潟にある建築物に注目してみよう
みなさんが、何気なく普段目にしている建築物。
「かっこいいな~」
「面白い形だな~」
といった感想を抱く人もいれば、
「まったく関心がなかった!」
なんて人もいらっしゃるのでは。
建築物の設計は、歴史の流れを汲んでいたり、芸術様式も複雑に絡まっていたり・・・
知れば知るほどクセになる??そんな奥深い建築物の世界。
今回は新潟にある建築物・名所の歴史や秘密に迫ります。
知識を得れば、建築物を望むいつもの光景も、一味違うちょっとエモいものになるはず。
にいがたの現代建築(昭和~平成)
NEXT21
出典:n-story.jp
新潟市を代表するランドマーク的な建築物のNEXT21。
実は、かつて1989年まではその場所に新潟市役所があったとのこと。
老朽化に伴い、旧新潟県庁に市役所は移転しました。
グランドオープンから2016年まで「ラフォーレ原宿・新潟」が入ってましたが撤退し、2017年から新たに中央区役所が入り、今に至っています。
「NEXT」の意味は次世代を表す「Next」に加え、「Niigata EXcitig Tower」を略したものも含まれているんです。
上の画像は、「NEXT21」が竣工、開業する前の旧新潟市役所の写真です。
この頃(1950年代後半)にはまだ新潟にも堀があったことでも有名。
現在は堀は埋められ、西堀通りとなっています。
地上21階、地下3階建てで高さは125m。
展望台から一望できる新潟は御覧の通り。
現在は朱鷺メッセが一番高い展望台ですが、それまではNEXT21が新潟県内で「最も空に近い展望台」だったことは紛れもない事実です。
また、NEXT21の特徴でもある「頂上部の尖っているパーツ」。
機能性や合理性を考えたら、恐らくこのパーツは要らないはずです。
しかし、非合理的、装飾性を志向するポストモダン建築はこういったモノさえも良しとするのです。
それがポストモダン建築の大きな特徴と言っても過言ではないのでしょうか?
NEXT21
住所:新潟県新潟市中央区西堀通六番町866
営業時間:19階展望ラウンジ 10:30~23:30 館内事情により閉鎖する場合あり
営業期間:通年
定休日:1月1日全館。他は施設により異なる
駐車場:あり 106台 普通車30分200円 駐車後12時間最大料金700円
料金:入館料無料
お問い合わせ先:025‐226‐5021
URL:公式サイトはこちら
豊栄図書館
2000年11月にオープンした豊栄図書館。
設計者は安藤忠雄という日本を代表する建築家。
円形と正方形を組み合わせた形状をしており、コンクリートがメインの素材となっている、クールでやや無機質な印象の図書館です。
しかし全てコンクリ―トによる内装ではなく、木を多く取り込むことで、温もりも感じられるような造りになっています。
さすが安藤忠雄先生・・・!
天井が吹き抜けになっているため、太陽の光が差し込み、自然と人為の調和がとれた建造物ではないでしょうか?
無駄なものが一切なく、シンプルな造りでありながらも、必要なものが十分に織り交ぜてあるのはポストモダン建築というより、モダンな要素が強いように見受けられます。
蔵書数は約20万冊以上、視聴覚資料(CD、DVDなど)やパソコンを完備しているほか、屋外読書コーナー、10代向けの本を集めたティーンズコーナーや喫茶室もあるとのこと。
一日いても飽きないどころか、住めるんじゃないかと思ってしまう、なんとも居心地の良い図書館です・・・!
豊栄図書館
住所:新潟市北区東栄町1丁目1-35
電話番号:025-387-1123
営業時間:月~木・土 午前10時~午後7時 日・祝日 午前10時~午後5時
定休日:毎週金曜日、毎月第一水曜日、年末年始(12月29日~1月3日)
駐車場:34台
入館料:無料
URL:新潟市の図書館オンラインサイト
福島潟博物館
こちらの設計・建設は1997年。
新潟の福島潟にある博物館で、福島潟の観察や歴史の紹介などを主な活動としています。
外観はねじのような螺旋状となっており、全面ガラス張りのため、360度展望が可能という特徴を持っている。
内装は白を基調とした造りになっており、さらに幾何学的かつ整合的にガラスが並べられているので、一種の清潔感が享受できることでしょう。
無駄な装飾がないので、単純と言えば単純かもしれませんが、計算されて編み出された建造物の美しさが全面に響き渡っています。
ビュー福島潟
住所:新潟県新潟市北区前新田乙493
電話番号:025-387-1491
営業時間:9時~17時
定休日:毎週月曜日(休日の場合は翌日)、年末年始12月28日~1月4日
URL:水の公園「福島潟」公式HP
新潟日報メディアシップ
2013年4月の「出航式」をもってグランドオープンしたメディアシップ。
出航式とあるように、メディアシップが「船」をコンセプトとした建造物であることは明白です。
「人をつなぐ、時間をつなぐ、まちをつなぐ『現代の北前船』」が大きな主軸として存在し、モノとモノとの媒介という役割を担っています。
こうして改めて外観をみてみると、メディアシップ自体「船」に見立てた形をしているのがよくわかりますよね!
1階から4階までが船体、5階から20階までを帆に倣っています。
人と人が交流する新たな空間という機能を十分に果たしながら、一見無駄に見える湾曲した部分も、「船」というコンセプトにかなり忠実なデザインであることがわかります。
もしかしたら、現代の建築が求めるのはコンセプトと機能性なのかもしれないですね!
新潟日報メディアシップ
住所:新潟市中央区万代3丁目1-1
電話番号:025-385-7500
営業時間:8時~23時
定休日:店舗により異なる
URL:新潟日報メディアシップ公式サイト
アオーレ長岡
出典:www.ao-re.jp
長岡弁で「会いましょう」の意味の「アオーレ」という方言を冠したアオーレ長岡。
この親しみやすい名称は一般公募によって決定し、そのまま正規な名称になったといいます。
アオーレ長岡は、長岡市役所本庁舎とアリーナ、市民交流ホールなどを擁する交流施設、屋根付きのナカドマの3つから成っています。
出典:www.ao-re.jp
設計者は、新国立競技場の建設にも携わった隈研吾氏。
「まちの中土間」を表現するため、市民が気軽に立ち寄って活動できる空間として、屋根付きの広場を中央部分に配置したそう。
外装部の白い部分は長岡城の市松模様をモチーフとしているなど、随所に長岡の歴史や文化を織り交ぜているのも特徴です。
幾何学的で、コンセプトがしっかりとしてながら、さらに街の文化や歴史に着目した建造物。
ただ単純に、人の役にたって見た目が良ければ良いだけでなく、その土地その土地でしか出せない「雰囲気」を巧みに醸し出す。
それもひとつの現代建築の特徴ではなのでしょうか?
店舗情報
住所:長岡市大手通1丁目4番地10
電話番号:0258-39-2500
営業時間:午前8時から午後10時まで
定休日:12月29日から翌年1月3日まで
URL:アオーレ長岡公式サイト
にいがたの近代建築(江戸~大正)
高田世界館
現役で営んでいる映画館の中だと、日本最古級と言われる「高田世界館」。
なんと、開業は1911年(明治44年)!!
当時は映画館ではなく、芝居小屋「高田座」として開かれ、5年後の1916年(大正5年)に「世界館」と店名を変え、映画館となったとのこと。
現在は老朽化などもあり、NPO法人「街なか映画館再生委員会」によって運営されています。
経済産業省の近代産業有形文化財、国の登録有形文化財に登録・認定された歴史ある建築物です!
現代の映画館とはまた異なった雰囲気ですね。
全体的に斜めに作られているのではなく、二階席が設けられており、さらに椅子がU字型に配置されているので、かつてからより見やすいような工夫がなされていた模様。
ちなみに、映画が上映されていない時間帯は見学可能とのこと。
不定期ではありますが、解説付きの見学ツアーも開催しているそうですよ♪
一度訪れて雰囲気を味わってみたい場所ですね!
高田世界館
住所:新潟県上越市本町6丁目4-21
電話番号:025-520-7442 ※火曜定休、電話対応可能時間:9:30〜20:00頃
定休日:火曜日
料金:大人:1,500円 会員:1,300円 シニア(60歳以上):1,100円 大学生:1,100円 高校生以下:800円
URL:高田世界館ホームページ
旧新潟税関庁舎
新潟が歴史ある湊町であることは、ご存知である方も多いですよね!
安政5年の修好通商条約によって新潟は開港場に選出され、明治元年に開港、翌年の明治2年に役所が設けられました。
その役所というのが、後の新潟税関というわけです。
条約の締結によって開港した新潟を含む五港(函館、横浜、神戸、長崎)の中で、税関が現存しているのは新潟だけ!
2019年には開港150周年を迎える節目なので、現在は改修工事が行われており、2018年の12月までは休館となっていて残念ながら見学等は行えません。
開港150周年の年には、なにか特別なイベント等があるのでしょうか?!
楽しみですね!!
旧新潟税関庁舎
住所:新潟市中央区緑町3437-8みなとぴあ敷地内
電話番号:新潟市 歴史文化課企画・文化財担当
休館期間:2016年5月30日(月)~2018年12月頃(予定)
URL:みなとぴあ公式HP
どっぺり坂
新潟市の中心部からほどなく近いところにある、どっぺり坂。
「どっぺり」ってどういう意味なんだ??と疑問に思い調べてみると、
ドイツ語の「ドッペルン(doppeln)」に由来しており、日本語では「二重にする」という意味をもつ単語でした。
さらに、どっぺり坂の上には昔、旧制新潟高校や新潟大学があったため、学生寮を構えていたとのこと。
学生たちが繁華街へ行くにはこのどっぺり坂を下らなくてはならない。
そのためから「そんなに遊びに行っては落第するぞ」という戒めから、「どっぺり」という名前がつけられたという説があるそう。
ドッペルン=二重→ダブる→留年というなんともユーモアあふれる意味が込められているみたいです。
また面白いことに、階段数は全部で59。
当時の学生が、試験で及第できるのは60点。ということはつまり…。
そんなどっぺり坂ですが、現在は新潟の観光名所として有名。
アイドルの撮影地や、映画のロケ地にもなったのだとか!
坂を上ったところからは新潟市域を眺望でき、まっすぐ先には”NEXT21″。
この素敵な景色だけは筆者自身、将来も残っててほしいと切に思うばかりでありました。
またしても余談ですが、どっぺり坂を上り交差点を真っすぐ進んでおよそ500m先には日本海。
新潟生まれの文豪、坂口安吾もしばしば訪れていたとされる場所だけあってか、雰囲気・風に淀みなく、いつ行っても清らかにありました。
おわりに
いかがでしたか?
色々と書いてきましたが、意外と知られてない知識や歴史がたくさんあったんじゃないかと思います。
当たり前、常識に思えることほど探ってみれば思いもよらぬ答えが帰って来るものです。
建築物を通しても、たくさんの思いもよらない答えが返ってきて、非常に面白いものです!
みなさんも、気になる名所・普段何気なく目にしている建築物の背景をぜひ調べてみてくださいね。
新しい知見が得られるかもしれませんよ♪
※記事に記載されている店舗情報やプラン内容は変更されている場合があります。詳細については公式ホームページやお電話等でご確認ください。