※記事に記載されている店舗情報やプラン内容は変更されている場合があります。詳細については公式ホームページやお電話等でご確認ください。
目次
継故創新!「酒粕ぷりん」
新潟市中央区営所通りにあります明治15年創業の「百花園」は、地元の人々に百年以上に渡り愛され続けている老舗菓子店。
銘菓「月志露」の他、新潟特産の農産物を使った独自の銘菓も数多く作り続けています。
そしてこの度、お客様とのコラボで誕生したのがなんと酒粕を使ったぷりん!
皆さまにもよくお分かりいただけるよう、「百花園」について少し説明しながら、このコラボスイーツがどのような経緯で生まれたのかご紹介したいと思います。
老舗菓子店「百花園」
出典:shop.ng-life
百花園の初代太田新太郎氏は、1870年(明治3年)に菓子職人として東京から新潟に拠点を移し、その技術を新潟に広めたと言われる人物。
優れた製造技術をもち、明治天皇に献上するお菓子を作るため、酒田まで出張したこともあったそうです。
そして1882年(明治15年)に現在の新潟市中央区営所通りにて「百花園」を開業。以来、菓子店としての紆余曲折を経て、100年以上経った今なお、地元の人に愛されるお菓子を作り続けています。
若き次期五代目太田新太郎さん
酒粕ぷりんを創作したのは「百花園」次期5代目の太田新太郎さん。
初代、二代目と同じ「新太郎」の名前を受け継ぎ、先代たちの伝統と技を継承しつつ現代におけるお菓子の新たな可能性を探っています。
パーティーやイベント向けの和菓子のケータリング事業HIYORIKA-日和菓-を始めたのもその一つ。
コーヒーや日本酒といった異業種とのコラボレーションは自身にもよい刺激になっているとのことです。
また、新太郎さんはフランスでの修行経験をもつ和菓子の一級技能士で、最近では人気TV番組「テレビチャンピオン和スイーツ王選手権」に出場するほどの腕前なのです。
提案者はお客様!?
しかし。この酒粕ぷりんのアイデアは、百花園のお客様だった群馬県在住の志村允宏さんから。
お二人に少しお話しをお伺いしてみました。
ー 志村さんは群馬県在住とのことですが、新潟県にはよくいらしていたのですか?
志村:小さい頃から海水浴で新潟には何度もお邪魔していて、結構身近な存在でした。
その後、外語大学に通っていたこともあり、ロシアのウラジオストクに遊びに行く為に新潟空港を使っていて、それ以来、新潟市とお付き合いするようになりました。
そして以前、古町で行われていた日本酒講座をきっかけに、自分自身でも新潟でイベントを企画・開催するようになりました。
志村さんは2013年から「生産者と消費者とお店をつなぐ」ことを趣旨に、定期的にプレミアムな食事会「鴨ネギの会」を主催。
会員制のこの会は、新潟・関東を中心におよそ100名の会員がいらっしゃるそうです。
新潟の銘酒越乃寒梅の酒粕を使用
ー酒粕ぷりんのアイデアはどこから生まれたのですか?
志村:百花園さんの商品「和(なごみ)ぷりん」を食べた時、とても美味しくて。越乃寒梅の酒粕と合わせたいってピンッ!ときました。
ー なぜ越乃寒梅の酒粕だったのでしょう?
志村:以前、石本酒造の石本社長から酒粕を分けてもらったことがあって、それを食べた時に感動したんです。
ー 新潟で味わった“美味しい”がシンクロしたみたいな感じですかね?!提案を聞いた時、太田さんはなんておっしゃったんですか?
太田:最初は、有機玄米の甘酒を使った水羊羹を凍らせて、シャーベットにした商品を提案させていただきました。でも志村さんに、「夏らしいので8月にお願いできますか?」と言われました(笑)
ーそちらも気になりますが(笑)実際ぷりんを作ってみていかがでしたか?
太田:酒粕を加工品にするのは難しいなと思いました。けど、実際には乳製品ととても相性が良かったですね。
志村:酒粕とプリンの材料である卵や乳製品との配合が絶妙で、私は“奇跡の配合”って呼ばせてもらっています(笑)
ー この酒粕ぷりんも「和ぷりん」同様、和三盆を使用しているとのことですが。。。
(※和三盆=日本の伝統的な製法で作られる砂糖、江戸時代から高級和菓子の原料として用いられてきた)
太田:はい。和菓子の要素を入れたかったのと、和三盆はすっきりしつつも味に深みが出るんです。
実際に食べてみました!
ここで実際に酒粕ぷりんを食べさせてもらいました。
蓋を開けるとほんのり酒粕のいい香り。
口当たりはとっても滑らかで、想像していた酒粕のクセはなく、かと言って酒粕が感じられないわけでもなく、ぷりんの味わいと見事に融合していました!
実はこの取材の後、我が家の子供たちにも試食させてみたのですが、ペロッと完食!
志村さんが“奇跡の配合”とおっしゃるのがよく分かりました。
また、この商品について石本酒造の石本社長にもお話しをお伺いしたところ、
「使ってもらって嬉しい。お客様に喜んでいただける、それはつまり当社が理念としている“豊かな気持ちになる”ことに繋がると思います」とのことでした。
越乃寒梅の酒粕は、石本酒造が100年以上の酒造りの伝統から生み出されたもの。そして和洋奇跡のコラボが実現したのも、やはり「百花園」が代々守り抜いてきた和菓子の匠の技。
新潟の地で脈々と受け継がれてきた歴史の偉大さや素晴らしさ、そして、そこから生まれる新たな風を感じました。
外から見えてくる新潟の魅力
ー 少し話が逸れてしまうかもしれませんが、志村さんからみた新潟の印象や魅力ってなんでしょうか?
志村:新潟はお酒と食べ物(特に魚とお米)がとても美味しいです。群馬には海がありませんので新潟に来て新鮮な魚を美味しいお米と一緒に食べるのは楽しみの一つでもあります。
それに新潟の人は、よそ者の私にもとても親切にして下さいます。特に、お酒が飲めるとすぐに仲良くなれます(笑)
新潟には群馬には無い独自のコミュニティ、ネットワークのようなものがあると感じます。お互いの距離が近いというか。。。例えるなら、大きな家族・親戚みたいな感じでしょうか?とても居心地が良いです。
ー なるほど。私はずっと新潟に住んでいるので、気づかないことも多いんですよね。お魚やお米、そして酒粕もごく当たり前に手に入ると思っていましたから。
業界や地域にとらわれない自由な発想があったからこそ、この商品のアイデアが生まれたのかもしれませんね。
ー 太田さんは和菓子を通して、これから新潟どう関わっていきたいとお考えでしょうか?
太田:お米やお酒だけじゃなく、お菓子でも県外からも新潟へ人を呼べるようになれたらと思います。
お菓子を目的とした観光とか!
ー この酒粕ぷりんの販売予定は未定ということなんですよね?
太田:そうですね。これからパッケージや売り方などを志村さんと相談していきます。
志村:とても美味しいぷりんですので、ぜひとも世に出したいですね!
また私もこの酒粕ぷりんが食べたいので、首を長くして待ってます!!
百花園が作る新潟銘産幻の洋梨ルレクチェを使ったタルトは、新潟直送計画で販売中!
百花園
住所:新潟県新潟市中央区営所通1番町321
電話番号:025-222-4055
営業時間:9:00~19:00(年中無休)
URL:ホームページ
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