鮭の魚醤「最後の一滴」が大評判!開発から販売まで行う県立海洋高校の生徒達が凄い!

「最後の一滴」は新潟県立海洋高校の生徒が開発から製造、販売を手掛けている鮭を使った魚醤です。販売が始まって3年程ですが、その市場はどんどん拡大しています。そんな話題の「最後の一滴」について色々調べてみました。

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※記事に記載されている店舗情報やプラン内容は変更されている場合があります。詳細については公式ホームページやお電話等でご確認ください。

「最後の一滴」って何?

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「最後の一滴」は、シーフードカンパニー能水商店が製造・販売している、鮭を使った魚醤です。

魚醤とは、魚類・魚介類を主な材料として作られた液状の調味料の総称で、「ナンプラー」や「いしる」、「しょっつる」なども魚醤の仲間。これら魚醤は独特の風味や香りを持つものが多く、それを苦手とする人もいます。

しかし、「最後の一滴」にはこの“クセ”は全くと言っていい程ありません。香りはごくごく普通の醤油と大差なく、しかし味には確かな“鮭”を感じる。様々な料理に使えて、どんな人にも合う魚醤なのです。

販売まで高校生が関わっている!

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出典:wikipedia.org

シーフードカンパニー能水商店(以下、能水商店)は、新潟県立海洋高校とその同窓生、糸魚川市が連携して立ち上げた事業所です。

能水商店ができる前は、海洋高校の生徒たちが開発した製品の製造や販売は地元糸魚川市の企業にお願いして行っていました。しかし、糸魚川市の補助金を受けて能水商店ができてからは、開発から販売まで、一貫して海洋高校の生徒たちが携わることができるようになったのです。

特に「最後の一滴」においては部活動の一環として、たった数人が主体となって製造やボトル詰めを行っているというのだから驚きです。

能生川の鮭

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出典:niigata-kankou.or.jp

糸魚川市の能生川には、毎年秋になると1万匹ほどの鮭が遡上してきます。しかし、能生川の鮭の多くはイクラを得る目的で獲られ、鮭の魚体は廃棄されてしまうのです。ここに目を付けたのが海洋高校でした。

捨てられてしまう鮭をなんとか有効利用できないかと、海洋高校では平成19年に「鮭とば風くん製品 すもう君サーモン」を開発します。ところがこの商品は性質上、体に傷のないある程度の大きさを持った鮭しか活用できませんでした。このふるいから漏れた鮭をも活用する術を求めて試行錯誤の末生まれたのが「最後の一滴」なのです。

クセが無くコク深い秘密

新潟県の西端に位置する糸魚川にやってくる鮭は、日本アルプスの険しい地形を流れる川を泳ぎ体力を消耗して帰ってくるため、このことで鮭の脂が落ちます。魚醤の独特の風味は、魚の持つ脂が生み出すものなので、能生川に遡上する脂の少ない鮭で作られた「最後の一滴」にはくさみがありません。

しかし、産卵は鮭の命を懸けた最後の大仕事。もっともエネルギー必要な時です。そんな鮭を一匹丸々余すところなく使っているので旨味自体は、ぎっしり閉じ込められているのです。

能生川で最期を迎える鮭を大切にしたいという思いと、料理の仕上げ(最後)に隠し味として使うのが良いという意味を込めて「最後の一滴」というネーミングが生まれました。

すでに受賞歴も

「最後の一滴」は2015年にはフード・アクション・ニッポンアワード2015において審査員特別賞を受賞しました。 また、2016年にはグッドデザイン賞を受賞しています。審査委員の評価は以下の通りです。

高校のキャリア教育で商品開発を行うことは、珍しいことではない。しかしそれらの商品が社会のニーズに合致しているかというとどうだろう。この商品に注目した理由は、地元産の鮭を使用する社会的意義はもちろん、OBと連動した製造の仕組み。しかしいちばんの評価ポイントとなったのは、品質に対する評判が高く、結果的にサスティナブルな商品になっていること。現在では地元の料亭はもちろん、県内各地の飲食店や旅館で使用されている。教育という観点からみれば、売ることはけっして目的ではないが、結果として売れることは生徒の自信にもつながる。ただし、パッケージデザインには改善の余地があるかもしれない。
出典:g-mark.org

このように「最後の一滴」はすでに社会的にも評価を得ており、地域社会に貢献する実力を持った商品なのです。

各所で大好評!!

個人の消費者から支持を得ているのはもちろんのこと、飲食店でも実際に調理に使用しているお店もある程、大好評の「最後の一滴」。現在ではコンスタントに月あたりおよそ2000本売れているのだそう。高校生が作ったというその話題性だけではこうはいきません。本当においしいからこそ食のプロたちの目にも留まったのですね。

ほんの一部ですが、「最後の一滴」を使った料理を提供しているお店を紹介します。

ラ・ファミーユスユクル

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出典:facebook.com

魚介料理のソースに利用しています。また、レモン果汁を加えたサラダドレッシングとしても活用しています。
出典:nousui-shop.com

店舗情報

住所:新潟県上越市大貫4-2-20
電話番号:025-512-5522
営業時間:ランチ/11:30 ~ 13:30 LO ディナー/18:00 ~ 20:30 LO
定休日:不定休

地魚料理 すし活

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出典:terumori.jp

にぎり寿司のネタに塗ったり漬けたりしてお客さんに提供しています。焼魚を焼くときに塗ったり、お吸い物に一垂らししても美味しいですね。
口当たりが良く、大豆醤油とは違う味わいがあるので多くの方から喜ばれています。
気に入った方は、お土産に購入されていきます。
出典:nousui-shop.com

店舗情報

住所:新潟県糸魚川市横町5-6-33
電話番号:025-552-9257
営業時間:ランチ/11:00 ~ 14:00  ディナー/17:00 ~ 22:00
定休日:月曜日

家庭料理でも大活躍中です!

おいしさイロイロ活用術

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出典:nousui-shop.com

「最後の一滴」は炒め物や煮物、ナベなど様々なお料理に使うことができます。いつものお料理に、たらっと一滴!これだけで簡単にコクがでます。

また、お刺身を食べるときのお醤油がわりに使ってもOK。オリーブオイルと混ぜるとドレッシングとして活用することもできます。

インターネットでは、能水商店や海洋高校のホームページで自社製品を使ったレシピを紹介しています。また、紙媒体でも糸魚川市のお土産店などで「最後の一滴通信」を作成・配布して「最後の一滴」の美味しい食べ方を紹介しています。

今回は2016年の「最後の一滴通信 秋号」に掲載されているレシピから能水商店がおすすめしている一品を紹介します。

【サンマのしょうが煮】

◆材料(2~3人分)

  • サンマ……2尾
  • しょうが(スライス)……8~10枚
  • 最後の一滴……大さじ3
  • 酒……大さじ3
  • みりん……大さじ2
  • 砂糖……大さじ2
  • 水……100ml

◆作り方

  1. フライパンにを入れる。
  2. ぶつ切りにしたサンマを入れ、煮る。
  3. 煮立ったら取出し、器に盛り付けて完成。

このように能水商店では自社製品をおいしく食べるレシピは元より、旬の食材も活用できるレシピを提案しています。ぜひぜひ試してみてくださいね!

「最後の一滴」だけじゃない!

海洋高校の生徒たちが開発・製造・販売を手掛ける商品は、「最後の一滴」だけではありません。能生川の鮭と実習で養殖しているマコンブを中心に他にも数種類の商品を製造・販売しています。

マコンブ入りコンブアイス

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出典:week.co.jp

能生の弁天浜で生徒たちが養殖したマコンブを活用するために開発された商品です。糸魚川市の道の駅「マリンドリーム能生」にある喫茶店で食べることができます。

まこちゃんうどん

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こちらも生徒たちが養殖したマコンブを活用した商品。品質にこだわって試行錯誤の末販売に至った逸品です。まこちゃんという名前の由来はもちろんマコンブ。コンブの旨味、香りがしっかり感じられるつるっとおいしいうどんです。

鮭とば風くん製品 すもう君サーモン

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出典:nouken.info

能生川の鮭を有効活用した商品。スパイスの効いた調味液に漬け込み、乾燥させて煙でいぶして作ります。「スモーク」と「すもう君」をひっかけたユニークなネーミング。海洋高校の相撲部は強豪であるためこの名前がつきました。

いか魚醤漬け一夜干し

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出典:nousui-shop.com

日本海で獲れた新鮮なスルメイカを「最後の一滴」に漬け込み、熟成乾燥させた魚介の旨味たっぷりの商品。肉厚のイカの食感が楽しめます。

いか魚醤漬け姿焼き

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出典:nousui-shop.com

こちらは「最後の一滴」を使った、甘みのある調味液に漬け込んだスルメイカを使った商品。乾燥させた後一枚ずつ丁寧に焼き上げました。開封したらすぐに食べられるのでとってもお手軽です。

うおぽん

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出典:nousui-shop.com

2016年の8月に販売が始まったばかりの注目の新商品です。「最後の一滴」にだいだい果汁を加えて製造されたポン酢。鍋物や餃子のたれなどいつもの食卓で大活躍の一品です。

「最後の一滴」の道程はまだ始まったばかり!

「最後の一滴」は全国区のメディアでも何度か取り上げられています。テレビ番組で特集が組まれた後は一時品薄になるなど、その知名度、それから売り上げをどんどん伸ばしています。それでもまだ、原料になっている能生川の鮭のすべてを有効活用するには至っていないのが現状です。

また、海洋高校生の活躍は地元の糸魚川市では注目の的になっています。新商品が出るとなれば市民の話題になり、お土産店はもちろんコンビニや肉屋などでも能水商店の製品を取り扱ったり、「最後の一滴通信」を置いたりしています。能水商店の活動は、単なる高校生のキャリア育成に留まらず、地域を盛り上げるのに一役買っているのです。

資源の活用や、地域振興など様々な期待がかかった、能水商店の活動はこれからがますます楽しみですね。

「最後の一滴」は新潟市近郊でも、ふるさと村やぽんしゅ館新潟駅店などで購入できます。また、通信販売でも能水商店の商品を購入できます。

取扱い店舗・通信販売はこちらから


【国産醤油】海洋高校の魚醤「最後の一滴」大人気TV紹介多数!奇跡の醤油100ml

※記事に記載されている店舗情報やプラン内容は変更されている場合があります。詳細については公式ホームページやお電話等でご確認ください。

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