インタビュー「世界一大きいプラムをつくりたい!」ギネス記録挑戦にかける富山喜幸さんの想い

南区(旧白根市)で「とみやま農園」を営む富山喜幸さん(27)。彼が生産するプラムは大きく良質で、県内外に多くのファンがいます。そんな富山さんが2015年と2016年に育て上げたプラムは非公式ながら、現在のギネス記録323.79gを上回ったんです。そして2017年、正式にギネス記録更新のチャレンジ。記録更新に必要な資金をクラウドファンディングで集めながら、収穫に向け日々プラムと向き合っています。農産物である以上、台風や突風で落ちてしまうこともあるため、毎年同じように育つとは限りません。そんなリスクを負い、それでもギネス記録に挑む富山さんにインタビューしてきました。

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※記事に記載されている店舗情報やプラン内容は変更されている場合があります。詳細については公式ホームページやお電話等でご確認ください。

新潟市南区(旧白根市)でプラムを栽培

出迎えてくれたのはプラムを栽培しているとみやま農園の富山さん。

若い!そして笑顔を素敵な好青年!!

さっそくとみやま農園のプラムを見せて頂きました。

  • 奥谷

    私…プラムの樹を見るの初めてなんです。何を隠そう私、ココ白根の出身!近所が果樹園と田んぼだらけの環境で育ったにも関わらず、プラムの樹を見るのは初めて…

  • 奥谷

    白根でプラムって珍しいですよね?私が知らないだけですか?

  • 富山さん

    珍しいですよ。県内ではほとんどないですから。プラム農家は3軒くらいかなぁ?

  • 奥谷

    ですよね!でも、どうして少ないんですか?気候的に栽培するのが難しいとか?

  • 富山さん

    いえ。作るのは難しくないですよ。ただ、新潟では酸っぱいイメージが強くて…

  • 奥谷

    スーパーでよく見る、あの赤いヤツですよね?確かにあの薄皮を剥くの面倒でちょっと酸っぱいかも…

  • 富山さん

    大石早生という品種が一番多くスーパーなどで出てますよね。でも、うちのプラムは違うんです。育てているのは貴陽という品種で、大きくてとっても甘くて皮ごと食べれます。だから、酸っぱいってイメージでうちのプラムを食べた時の衝撃は強いですよ!

今年もギネスオーバー(゜▽゜*)
356g大きいです‼
貴陽もあとわずか。
8月下旬から、本格的に果物始まりますので、宜しくお願い致します。

とみやま農園さんの投稿 2016年8月10日

一般的に出回っている大石早生の大きさは平均50g~70gに対し、貴陽は200g前後。

大きいもので300g前後になるそうです。

現在、世界一重いプラムとして山梨・南アルプス産「貴陽」がギネス認定を受けています。その一個の重さは323.79g。大きめの桃と同じくらいの大きさです。

富山さんが昨年育てたプラムはその記録を上回る356g!!

ちなみに訪れた5月下旬の大きさがこれくらい。

8月にはこれくらいに…

とみやま農園さんの投稿 2016年8月30日

おぉ!食べてみたい!!

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新潟産 プラム「太陽」(すもも) – とみやま農園

プラム作りをはじめたワケとは?

  • 奥谷

    そもそもどうして新潟ではあまり栽培されていないプラムを作ろうと思ったんですか?

  • 富山さん

    もともと親父が板金屋と稲作をやっていて…私が新規で果樹を始めました。でも白根って梨やブドウはもう多くの農家さんがやられているじゃないですか。だから、誰も作っていないものを作りたかったんです。

    で、農業大学に通っていたころに販売実習で梨を売っていたのですが、お客さまから”皮を剥くのが面倒”“一人じゃ一個は食べきれない”という声を頂きました。それで、皮ごと食べれて一人でも食べきることができる果物は何かな?って考えた結果がプラムでした。

  • 奥谷

    なるほど! 誰もやっていないことをというフロンティア精神を持ちながらも、あくまでも消費者に目線を向けた結論だったんですね!

  • 富山さん

    その時、育てたものがお客さまの口に入って、ありがとうと言われた感動が大きくて“これは売るしかない”って思いました。

大学卒業後、富山さんは群馬県高崎市の富久樹園でプラム栽培や販売戦略について学びプラムとブドウの生産販売をスタートさせました。

  • 奥谷

    イチから果樹園をスタートさせてどうでしたか?

  • 富山さん

    自分の作ったモノが初めて売れた時は、嬉しくて今でも鮮明に覚えています。

満面の笑みを浮かべてお話ししてくれる富山さん。きっと、この瞬間もその時の喜びが脳裏に思い浮かんでいることがすぐに分かりました!

  • 富山さん

    今も、作る時はお客さまの口に入る時のことをイメージしながら作ります。

  • 奥谷

    それで、生産するプラムやブドウは有機質肥料にこだわった低農薬栽培なんですね!

富山さんは、時々お客さまの反応が見たくて直売所の店頭に立つこともあるという。

常にお客さま目線であるということが良く分かりました。

なんと日本酒造りにも参加!

ここで…取材前プラムの話から逸れますが、取材前の下調べで知って、どうしても聞きたかったことを…

  • 奥谷

    富山さんて…宝山酒造の「二才の醸(かもし)」の酒米造ってましたよね?!すいません!日本酒好きなもので(笑)

    いや、もしかしたら、「二才の醸」で富山さんのことを知っている人も多いのかも!昨年、新潟の酒造業界ではかなり話題になりましたもんね!

  • 富山さん

    そうなんです。実はプラムのワインも作っていて、そこのワイナリーさんから紹介されてプロジェクトに参加しました。

  • 奥谷

    ほう!!

  • 富山さん

    そのプロジェクトから今回のプラムのギネス挑戦に繋がったんです

  • 奥谷

    なんと!!

ではここで、「二才の醸」について少し説明。

20代だけでつくる日本酒プロジェクト

埼玉県の石井酒造8代目の石井さんと杜氏の和久田さんが「同世代に日本酒を飲んで欲しい」という思いから「20代だけでつくる酒」として始まったプロジェクトです。

昨年、和久田杜氏が30代になるため、2年間の挑戦を卒業。他の蔵にバトンを渡すことになり、それを受けたのが宝山酒造の渡邉杜氏でした。造るお酒は宝山酒造の青柳前杜氏が技術を擁立した「コシヒカリの酒」に決めました。

そのコシヒカリを生産したのが同じく20代の富山さんでした

繋がる輪と富山さんの想い


  • 私、「二才の醸」飲み損ねました(泣)

  • すぐに完売しましたからね(笑)でもまだ飲めますよ!凧合戦の時に出ます!

  • 行きます、行きます!地元民なので、凧合戦は毎年行きます!

    (白根&酒談義で脱線したので割愛)

    すいません。今回のメインテーマは「ギネス挑戦」でしたね!

  • 二才の醸が完成した時の挨拶の中で、プラムの話をしました。ギネス記録を超えるプラムを栽培しました…というところから、だったらギネスに挑戦したらどうかと、そこで沢山の協力・応援をしてくれる人たちと出会えました。

  • すごい!!でも、そこでご自身が挑戦を決意したのはどうしてですか?

  • プラムの栽培を始める時、地域の人たちが優しく声をかけてくれました。だから、その人たちのために、南区を…白根をもっと知ってもらいたいと思いました。そして、こういう人が「白根」で頑張っているってことを知って欲しくて。白根には、まだまだ若い農家さんたちが沢山いるんです。
    また、お酒の時も、自分が人との繋がりで助けられました。だから今後は自分が誰かの助けになりたいと思いました。

  • 白根がもっと活性化して、人口減少に歯止めがかかってくれれば嬉しいですよね!

  • 今、白根ではいろいろなプロジェクトがあります。まだ点かもしれませんが、点から線、線から輪になってくれればいいな

地域に対する熱い想い、そして人との繋がり、そして喜んでくれるお客さまの笑顔が富山さんの原動力になっているようですね!!

後継者不足が問題になっている新潟の農業。でも、富山さんを見ているとまだまだ新潟やれるな!って元気な気持ちになりました。

だからきっと、皆が彼の元に集まってくるのかもしれません。

ギネス記録への道

  • 奥谷

    とはいえ、ギネス認定ってすごくお金がかかるんですよね?

  • 富山さん

    そうなんです。ここだけの話、ギネスのガイドラインの説明資料だけで、ウン万円。しかも英文だから翻訳もやらないと(苦笑)
    他にも、重さ0.01まで計れる測定器から、測定士や証人の派遣費用…全部で数百万円必要なんです。

  • 奥谷

    え!!?そんなに??
    個人でやるには大変ですよね?それで、クラウドファンディングで支援してくれる人を募っているというわけですね。

  • 富山さん

    そうなんです。最近では、キングコングの西野さんも絵本の製作資金をクラウドファンディングで集めていたりで、何かと話題にもなっているクラウドファンディングですね!

富山さんのページはこちら⇒ギネス記録に挑戦する富山喜幸さんを応援!!

  • 奥谷

    最後に、ギネス挑戦へのプレッシャーはありますか?

  • 富山さん

    あります。今までは“できちゃった”でしたが、今年は“作らないといけない”ですから。でも、すごく手をかけていて、今のところ順調です。

  • 奥谷

    私、台風が来ないように祈りますー!!収穫、楽しみにしています!!

気になるギネス挑戦結果も永住計画にて。

皆様、是非とも若き農業家・富山喜幸さんの挑戦を応援してくださいね!

南区から…いや、農業王国新潟からギネス記録出しちゃおうぜーーー!!!

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新潟産 プラム「太陽」(すもも) – とみやま農園

とみやま農園

住所:新潟県新潟市南区新飯田2408
URL:とみやま農園フェイスブック
   クラウドファンディング応援ページ

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この記事のライター

okutani

新潟市南区出身。 365日ダイエットと言いながら、白米もラーメンも日本酒もやめない生粋の新潟っ子。お酒のイベントによく出没します。

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新潟名物

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